理科の授業開き(1学期)   
       これは、2001年 当時の実践である。 
    第4学年と第6学年に理科の専科として入っている。これは、その第1時間目である。 
  理科室で行う。前もって、黒板に座り方を板書しておく。なお、各班が4〜5人になるようにし、各班とも1番から4番(または5番)まで各自に番号をつけて おく。番号をつける理由は、「話し合いの結果を、各班とも1番の人が発表してください。」というような指示を出すことができるようにするためである。  
指示 手に持っているものをおきなさい。

 指示 おへそを先生の方に向けなさい。 
  理科室で班ごとの座席のため、お互いに向き合っている場合が多い。そこで、体を前に向けているかどうか1人1人確認する 。
 全員の名前を1人ずつ呼ぶ。 
  きちんと返事ができた子はほめるようにする。

 次に、授業の受け方について目標とすべきことを示す。 
 先生は、これまで多くの子どもたちと過ごし、いろいろな子どもをみてきました。その中で、この子は必ず伸びるなと思う子にはあることが共通しているのです。さて、どんな子がぐんぐん伸びるのでしょう。
  「先生の話を聴く子」「発表する子」「いたずらをしない子」などと子どもたちはこたえる。どれも大切であることを認める。(ほめるようにする。)

           あらかじめ用意しておいた次のことばを見せる 
  1 ていねいさ

 何事もこつこつと続けて努力する子、ていねいに取り組む子、そんな子は必ず伸びていくのです。この1年、このことを目標の1つにしてがんばりましょう。
 実際に「ていねいさ」を体験させるために、ノートに自分の名前を書かせる。
指示 自分の名前を3回書きなさい。3回書けたら先生のところへもってきなさい。
 ていねいに書けたら、おおいにほめる。

次に、もう1つのことばを見せる。
2 話をしっかりきく

 先生の話や友だちの発表をしかっり聴くことができる子は、ぐんぐん力がついていきます。これも大切な目標の1つにしてにしてがんばりましょう。 
実際に「聴く」とはどういうことか体験させる。 
指示 2人組をつくり、向かい合って座りなさい。
 できるだけ班の中で作るようにさせる。人数が奇数の場合は3人組を1つ作る。なお、男の子同士、女の子同士の方が体験しやすいので、配慮しながら組を作る。 
指示 各組とも、Aの人、Bの人を決めなさい。
 今から行うエクササイズの説明及び指示をする。
  今から聴き方の体験学習をします。先ず、Aの人が話す役、Bの人がきく役になります。最初、きく人は相手の目を見てはいけません。あいづちをうってもいけません。表情を変えずにいてください。話す人は1分間話し続けてください。1分間たったら、きく役と話す役が交代します。3人の組は40秒ずつで交代します。話す内容は、テレビやゲーム、趣味のことなど、どんなことでもいいです。
 質問はありませんか。
質問があれば質問にこたえる。 
 指示 では、ようい、始め。
 ストップウオッチで計測する。3人組のそばに行って時間を指示する。1分たったら、
 指示 1分たちました。交代してください。
さらに、1分後、 
指示 やめ。 

  次に、もう1度行いますが、今度は、相手の目を見て、あいづちをうったり、楽しかったら微笑んだりしてきいてみてください。
 質問はありませんか。 
 質問があれば質問にこたえる。
 指示 では、ようい、始め。
ストップウオッチで計測する。3人組のそばに行って時間を指示する。1分たったら、 
 指示 1分たちました。交代してください。
 さらに、1分後、
指示 やめ。 

 指示 2人または3人で、今思ったこと、感じたことを話し合ってみてください。
   話し合う時間は3分間です。
3分たったら、 
 指示 はい、やめ。おへそを先生の方に向けなさい。

 指示 思ったこと、感じたことを発表してください。
 「目をそむけられると、話しづらい。」「あいづちをうってくれると、話しやすい。」といった感想を子どもたちは発表する。
 そうですね。きく人がしっかり聴いてくれているな、と感じると、話す人は話しやすいものです。相手の方を向いてしっかり聴くようにこころがけましょう。
 このあと、「理科の学習の仕方、理科室の使い方」のプリントを配り、それについて話す。
 指示 今から、「理科の学習の仕方、理科室の使い方」というのをみんな で読んでもら
   います。これを実行すると、理科の力はぐんぐん伸びます。先生の後について読ん
   でみましょう。

    理科の学習の仕方、理科室の使い方
1 何事にもていねいに取り組む。
2 人の話をしっかり聴く。
3 ルールを守り、人の迷惑になることをしない。
4 授業中勝手にしゃべったり、席を立ったりしない。
5 実験器具など、使ったものは必ずもとのところへもどす。散らかしたら自分で片付けをする。
6 実験のあとは、全員で片付けをし、机の上をしっかりふく。
7 忘れ物をしない。
8 理科準備室には、実験の準備や片付けで必要な時だけ、先生に許可をもらって入る。  

  簡単なようなことばかりだと思います。しかし簡単だからこそ難しいのです。時々守れない時があるかもしれません。でも、その時はこれを思い出してください。これから、先生とともにこれを守るよう、心がけていきましょう。



  この授業の前半部分(ていねいさの指導まで)は、2001年3月25日(日)に行われた第4回愛知講座での、小野公美子先生(東海サークル)の学級開きの模擬授業の追試である。ただ、ていねいさの体験でのノートの提出の仕方等、一部変更してある。
 なお、小野先生の模擬授業は、以下の3点を参考にされている。
・岡田健治学習スタイル設計の原理原則(ツゥーウェイ94年4月号)  
・小林幸夫30代教師3日間の実践(ツゥーウェイ96年4月号)
・池元宏光 6年道徳「当たり前のこと10カ条」
 「おへそを先生の方に向けなさい。」は、「授業の腕をあげる法則」(向山洋一著、明治図書)33ページの追試である


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